個人山行  赤石岳(3,120m)・悪沢岳(3,141m)縦走

  2016年8月24日(水)〜27日(土)        しらかわ記 
 
午前5時過ぎにJR宇多津駅南口でおなじみの観光バス(運転手2人も顔なじみ)に乗り、高松、鳴門経由で新東名高速道路の静岡ICで下り、
静岡県の最北端にある赤石温泉・白樺荘に午後5時前に到着。
今回、3泊4日で赤石岳〜荒川三山を縦走するじっくりツア登山に参加した。
 
 
8月24日は現地バス乗り場迄はおなじみのバスに約10分乗車。
そこでマイクロバスに乗り換えて約1時間で登山口の有る椹島に移動。ここで出発準備をして午前9時に登山開始。
本日のゴール・赤石小屋までは樹林帯の大倉尾根をひたすら登るルートで展望は期待できない。
最初はジグザグの急登。途中は少し緩やかになるが最後もポッカ返しと呼ばれる急登でひたすら我慢である。
途中の距離を示す表示板を見ながら5分程の小休止6回、昼食20分を含んで5時間45分で標高差約1500mを登り切った。
疲れは感じ無かったが赤石小屋で飲んだビールの味は格別であった。
 
8月25日は午前5時から朝食を摂り、午前5時50分に出発。
今日も登山日和で、涼しい樹林帯の急登から始まり、約50分で富士見平に到着。
ここは360度の展望が楽しめる場所で、富士山は勿論、赤石岳、荒川三山、聖岳がくっきりと良くに見えた。
富士見平から少し下って登り返すと眼前に赤石岳の東斜面が大きく迫ってくる。
後ろから来るパーチ―を砲台休憩所でやり過ごし、その後に続く。
標高差300mを超える急登のジグザグ道をゆっくりと登ると稜線に出る。
そこで南に向きを変えて緩やかなガレ場を登ると赤石岳山頂に着く。
山頂には午前10時前に着いたが既にガスが出て周辺の山並みが見えなくなっていた。
ガスが消えるのを待つことにし南側にある赤石避難小屋迄足を延ばしたりして40分程山頂で過ごしたが一向に展望は回復せず、断念して次の小赤石岳に向かった。
しだいに天気は悪くなり小赤石岳を過ぎ、大聖寺平手前で雨が降り出したので全員レインウエアを着用。
その雨も長くは続かず、ケルンの有る大聖寺平で食事する頃には止んでいた。
ほほ予定通り午後1時10分、荒川小屋に到着。5時からの夕食迄で時間がたっぷり有るので、食堂を利用してガイド2人を囲み山談義。
勿論、赤石岳登頂を記念してビールで乾杯。
 
8月26日は朝食前に荒川小屋前から見える富士山をカメラに撮り、ゆっくり朝食。
午前5時35分に荒川小屋を出発。
今日も最初から樹林帯の急登。荒川前岳に向かう途中にはお花畑が有る。
鹿の食害から高山植物を守るため登山道の一部区間が柵で仕切られている。ここを過ぎると稜線上の分岐に出る。
分岐にザックを置いて荒川前岳に登る。
まだガスは出ておらず雲海の上に中央アルプスの木曾駒ヶ岳、空木岳、その先には噴煙を上げる御嶽山、北アルプス連峰もかすかに見える。
南西には恵那山の山容が雲海の上に見える。
荒川前岳山頂を踏んで分岐迄戻り、次の荒川中岳に向かう。その先には荒川東岳・悪沢岳の大きな山容がくっきりと見えてきた。
この辺りは3000mの稜線歩きが楽しめた。
荒川中岳からは一度鞍部に下り登り返すことになる。
この登りは標高差250m程の急登であるが山頂近くは岩稜地帯になっており慎重に足場を確保しゆっくりと山頂を目指した。
悪沢岳山頂には午前9時40分に登る。多くの登山者が展望を楽しんだり、登頂の記念写真を撮ったりして休んでいる。
ここで25分程休憩をして記念写真を撮り、千枚岳に向けて下山。
登りと同様に山頂直下は岩稜帯でゆっくりと、やがてその先には穏やかな山容の丸山が岩の間から見えてきた。
丸山は標高3032mで、その下方に標高2880mの千枚岳が有る。こちらは山頂が岩場で丸山とは対照的である。
それぞれの山頂で20分、10分の休憩を取り、千枚小屋には12時20分に到着。
千枚小屋も正面に富士山が見える位置に有り、小屋の窓越しからも良く見えた。
 
8月27日は昨日と同様に日の出前の富士山を撮影し、午前4時20分から朝食、午前5時20分に出発。
今日は標高差約1500mの下り主体のルートで有る。初日と同じく樹林帯が大半で展望は無い。
登山道は歩き易い整備された区間が多いが、所々、急な岩場が有り、登り区間も一部にある。
椹島の現地バスの発車時刻が午前10時30分と午後1時30分の2回で、当初は午後の便を予定していたが足並みが揃っていたのでスピードを速めて午前10時30分に乗る事にした。
バス停には10分前に着き、増発されたマイクロバスに乗り白樺荘には昼前に到着。ここで温泉に入って後に昼食を取る。
午後1時35分におなじみの観光バスに乗車し、宇多津には28日午前1時に帰って来た。
 
1、赤石岳、荒川三山縦走は登山口迄のアクセスが長くて個人で行くのは容易ではない。
 全日程が平日であれば山小屋も空いており、ゆったりとした登山が楽しめる。このようなツア登山を今後選びたい。
2、登山道は樹林帯の急登、3000m級の稜線歩き、岩稜帯の上下道、お花畑、ガレ場と変化に富んでおり、貴重な体験をした。
3、全コース、天候に恵まれて素晴らしい展望を楽しむ事が出来た。やはり、ガスが出る前に山頂を踏むことが可能な山小屋を利用することが山旅を一層楽しくする事を実感。
4、赤石小屋、荒川小屋、千枚小屋は全て新しく、寝袋、毛布も揃っており快適であった。
   ただ、いずれもトイレが離れた場所にあり、夜中、雨降りの場合は少し難が有ると感じた次第である。
 
      

GPS軌跡図

荒川小屋〜千枚小屋・高低差高低グラフ


赤石小屋〜荒川小屋・高低差高低グラフ
8月24日(水)の写真:椹島ロッジ〜赤石小屋  天候:晴れ
椹島ロッジ(9:00)〜登山口(9:10)〜樺段(11:40)〜大倉尾根〜赤石小屋(14:45)
 
歩行距離:6.8km、歩行時間:4時間55分、 累積標高差(登り):1485m、(下り):60m
休憩、昼食を含む所要時間:5時間45分

▲椹島ロッジを出発(9:00)

▲急登が続くので途中で5分程度の小休止6回と昼食約20分を取る

▲赤石小屋までは大倉尾根の樹林帯で展望が無く、
このような表示板が数か所設置されている

▲赤石小屋迄約30分の標示(ポッカ返し終了):急登が終わる

▲赤石小屋に到着(14:45)

8月25日(木)の写真:赤石小屋〜富士見平〜赤石岳〜小赤石岳〜荒川小屋
     天候:晴れ後曇り後小雨
赤石小屋(5:50)〜富士見平(6:35〜50)〜ラクダの背〜砲台休憩所(7:55〜8:05)〜分岐(9:30)〜赤石岳(9:55〜10:30)〜分岐(10:50)〜小赤石岳(11:05〜15)〜大聖寺平(12:15〜30)〜荒川小屋(13:10)
 
歩行距離:7.3km、歩行時間:6時間、 累積標高差(登り):920m、(下り):850m、
休憩、昼食を含む主要時間:7時間40分、


▲赤石小屋を出発(5:50)

▲始めの急登は樹林帯

▲ハイマツに覆われた富士見平:好く晴れて360度の展望を楽しむ

▲東方には富士山が近くに見える

▲西方には赤石岳が

▲北方には荒川三山が(左より前岳、中岳、少し離れて東岳・悪沢岳)

▲南西には聖岳が

▲ラクダの背

▲崩壊場所も慎重に通過

▲これより急登

▲登って来た登山道を振り返る

▲稜線を赤石岳に向かう

赤石岳山頂は近い

赤石岳山頂(標高:3120m):ガスが出てきて展望がきかず

山頂直ぐ南側の赤石岳避難小屋(トイレは別棟)

▲小赤石岳山頂(標高:3081m)

大聖寺平で小休止:ケルンが有る

先程から小雨で登山道脇に雷鳥の親子が現れる

▲荒川小屋に到着(13:10)
8月26日(金)の写真:荒川小屋〜荒川三山(前岳、中岳、東岳)〜丸山〜千枚岳〜千枚小屋
   天候:晴れ
荒川小屋(5:35)〜(小休止:2回)〜分岐(7:15)〜荒川前岳(7:30〜35)〜分岐(7:45)〜荒川中岳(7:50〜8:15)〜荒川東岳(悪沢岳)(9:40〜10:05)〜丸山(10:40〜11:00)〜千枚岳(11:35〜45)〜分岐(11:50)〜千枚小屋(12:20)
 
歩行距離:6.9km、歩行時間:5時間5分、累積標高差(登り):790m、(下り):800m、
休憩、昼食を含む所要時間:6時間45分、

荒川小屋から見た朝日に映える富士山

荒川小屋正面:建物は新しい

登山道から振り返って見た荒川小屋:小屋とトイレが離れていることがよく分かる

岩場の登山道をトラバース

途中にある”お花畑”の高山植物保護の柵扉の表示板

澄み切った青空の下、荒川前岳へ向かう

急登が続く

稜線からは西方に中央アルプス(木曾駒ヶ岳、空木岳)の山並みが雲海上に

荒川前岳山頂(標高:3068m)

北東の稜線の先には荒川中岳、その奥に荒川東岳・悪沢岳が見える

荒川中岳に到着

北方に塩見岳が

中岳東方に有る荒川中岳避難小屋

振り返って見た荒川中岳

これから登る荒川東岳・悪沢岳

途中の岩場

再度、荒川中岳を振り返る

悪沢岳山頂

悪沢岳山頂の標示:荒川東岳(標高:3141m)

山頂東側の登山道

岩場を下る

丸山が見えてきた

途中の岩場を慎重に:三点確保で

丸山の先に有る千枚岳山頂(標高:2880m)と三角点

千枚小屋に到着(12:20)
8月27日(土):千枚小屋〜椹島ロッジ
    天候:晴れ後小雨
千枚小屋(5:20)〜駒鳥池(5:50〜55)〜見晴らし台(6:40〜45)〜蕨段(7:05)〜岩頭見晴(9:05)〜吊り橋(10:00)〜椹島ロッジ(10:20)
 
歩行距離:9.9km、、 歩行時間:4時間50分、 累積標高差(登り):240m、(下り):1730m、
休憩を含む所要時間:5時間

夜明け前の富士山:千枚小屋の前にて(5:06)
再び樹林帯(シラビソの原生林)へ

駒鳥池の様子

岩頭の見晴らし

再び急登(岩尾根の難所)

吊り橋:かなり揺れる

椹島ロッジに到着(10:20):バスの出発時刻は10時30分
咲いていた高山植物

ミネウスユキソウ

タカネマツムシソウ

トウヤクリンドウ

イワインチン

ハクサンイチゲ

チシマギキョウ

ヨツバシオガマ

ミヤマゼンゴ
ナナカマド