個人山行 大朝日岳(1,873m 山形県大江町) 2017年7月7日(金)〜8日(土) しらかわ 記 |
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大朝日岳は朝日連峰の最高峰で幾つかのルートがあるがいずれも山頂までの距離が長く、途中の小屋で宿泊するのが一般的である。
今回のルートは多くの登山者が利用する古寺鉱泉から古寺山経由で山頂を往復する距離の比較的短いコースを選択。
昨日、山寺観光を終えた後、古寺鉱泉・朝陽館に移動し宿泊。
朝陽館は登山口駐車場から古寺川沿いの登山道を5分程歩いた場所にあり、各自、荷物全て持って移動。
ここは古寺川沿いにあり、水音が聞こえるが林の中でゆったりとした気持になれる素敵な宿である。
しかも、ご飯、岩魚、地元で摂れた野菜が豊富な食事は美味しく、大満足。
午前6時過ぎに不要な荷物を駐車場の車に置きに行き、その後朝食を食べ宿を出発。
全日程のコースとコースタイムは以下の通り。
7月7日(金):晴れ
古寺鉱泉・朝陽館(7:10)〜合体の樹(7:50)〜一服清水(8:50〜55)〜分岐(9:10)〜三沢清水(9:55〜10:00)
〜古寺山(昼食)(10:40〜11:00)〜小朝日岳分岐(11:35)〜トラバース〜分岐(12:05)〜銀玉水(12:55〜13:10)
〜雪渓〜大朝日岳避難小屋(休憩)(13:55〜14:25)〜大朝日岳(14:40〜50)〜大朝日岳避難小屋(15:00)
歩行距離:9.2km、 歩行時間:6時間25分、 累積標高差(上り):1530m、(下り):470m
休憩、昼食を含む所要時間:7時間50分
7月8日(土):晴れ (気温:午前5時の避難小屋15℃:標高1760m)
大朝日岳避難小屋(5:35)〜大朝日岳(5:50〜6:00)〜大朝日岳避難小屋(6:10〜20)〜雪渓〜
銀玉水(7:10〜20)〜分岐(8:00)〜トラバース〜小朝日岳分岐(8:30〜40)〜古寺山(9:05)
〜三沢清水(9:35〜40)〜一服清水(10:20〜25)〜古寺鉱泉・朝陽館(11:40)〜登山口駐車場(11:45)
歩行距離:8.9km、 歩行時間:4時間20分、累積標高差(上り):280m、(下り):1400m、
休憩を含む所要時間:6時間10分
7月7日
朝陽館から直ぐに樹林帯の急登になる。気温は25℃と高く、Tシャツ1枚でも汗が噴き出す。
途中、ブナとヒメコマツの巨木が接した”合体の樹”、一服清水、三沢清水で休憩を取りながら古寺山を目指す。
登山道は良く整備されているが樹林帯が大半で蒸し暑く、展望は無い。 一服清水の湧水は美味しいかったが、三沢清水は水が無い。
古寺山に至る登山道沿いにはイワカガミなどの高山植物が多く咲いていた。
約3時間30分で古寺山に到着。
ここからの展望は素晴しく、これから行く小朝日岳、大朝日岳、等が遠望できる。
山頂が登山道になっていたが誰も通過する者がいなくて落ち着いて展望を楽しみながら昼食を摂る。
一度、下り小朝日岳分岐まで来ると残雪がある。小朝日岳には登らずに巻道を行く。
トラバースを過ぎた尾根筋の登山道からは大朝日岳、その手前の雪渓を見ながら銀玉水まで登る。
この辺りはヒメサユリがいたるところに群生しており、お花畑の中にいるような感覚になる。
銀玉水は水量豊富で非常に美味しい湧水で、空になったペットボトル、魔法瓶に冷たい水を詰め込み、しばし休憩。
銀玉水の先の横木で整備された道を少し登るとかなり長い雪渓がある。例年に比べて雪が多かったようだ。
傾斜がきつくないないので軽アイゼンを着けず、キックステップで渡りきる。
その先にある岩道を通過すると今夜泊まる大朝日岳避難小屋が見えてくる。
午後1時55分に到着。出発から6時間45分かかった。
小屋は既に登山者が多くて我々は中三階の場所で寝ることになった。
ガスが出てあまり展望は期待できないがとりあえずザックを小屋において、山頂に行く事にした。山頂まで15分。
予想通り、ガスで展望は無いが方位版を見て周辺の蔵王山、飯豊連峰、月山、鳥海山、佐渡島などの方角を確かめた。
山頂はなだらかで少し岩がある。10分程過ごして小屋まで下りる。
日没の頃になるとガスが消えて視界が良くなり、西朝日岳に沈む夕陽をカメラに収めることが出来た。東には大朝日岳と月が綺麗であった。
夜は持参した寝袋、マットで寝ようとしたが宿泊者が多い(約40人)ことと、吹き抜け三階のため熱がこもって寝袋は使わなかった。あまり眠れない。
7月8日
早朝午前3時に隣りの夫婦が出発準備する音で起こされる。
今日も晴れて暑い。小屋の北側外壁に取り付けられた気温計は午前5時で15℃と予想を大きく上まわっている。
夕食と同様、インスタントのご飯、味噌汁のみの簡単な朝食を済ませ、再度山頂に登る事にする。
山頂からの展望は素晴らしかった。小屋に預けたザックを背負って午前6時20分下山開始。
もときたルートを下る。雪渓手前では安全のために軽アイゼンを着用した。
銀玉水、一服清水で水を補給し登山口の駐車場には午前11時45分に着く。
所要時間は5時間25分。 土曜日で駐車場は自家用車などで満車。
入りきらない車は道路沿いに延々と駐車いる。大変多くの登山者が登っている様だ。
事実、下る途中で多くの登山者とすれ違った。
下山後、車で翌日登る蔵王山の麓にある蔵王温泉に移動し宿泊。
1、久しぶりに寝袋、マット、食糧及び軽アイゼンを持っての登山でザックが少し重かった。
当初の予想に反して猛暑日(山形市:35℃)で、蒸し暑く、脱水症状気味になったが銀玉水の冷たい美味しい湧水に助けられた。
この湧水が無ければ登山口から更に3リットル程度の水を持たなくてはならなかったと思う。
2、登山道は良く整備されており、クサリ、梯子は無く、この時期は残雪も少なく快適なコースであった。
3、イワカガミなど沢山の花が咲いており、特にヒメサユリの群生には大満足。
4、大朝日岳避難小屋は気密性が高く、綺麗で、最新式のトイレがあり管理人も居て通常の山小屋と違うのは
食事、寝る道具が無いだけであった。
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![]() ▲GPS軌跡図 |
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●7月7日(金):古寺鉱泉〜古寺山〜大朝日岳〜大朝日岳避難小屋の写真 |
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![]() ▲古寺鉱泉・朝陽館に到着(前日7月6日午後4時) |
![]() ▲入らない荷物を駐車場のタクシーに運ぶ(6:10):片道徒歩5分 |
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![]() ▲朝陽館前を出発(7:10) |
![]() ▲樹林帯の急登 |
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![]() ▲合体の樹(ブナとヒメコマツの大木) |
![]() ▲一服清水で休憩、水を補給(8:50〜55) |
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![]() ▲分岐の道標(9:10):正面の古寺山へ |
![]() ▲三沢清水で休憩(9:55〜10:00) :ホースは有るが水は涸れて全く無い |
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![]() ▲樹林帯はもう少し |
![]() ▲展望が開ける:正面が小朝日岳、右手遠方が大朝日岳 |
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![]() ▲古寺山山頂で昼食(10:40〜11:00):360度の展望 |
![]() ▲左から大朝日岳、中岳、西朝日岳 |
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![]() ▲小朝日岳手前の分岐(11:35):右手のトラバースを行く |
![]() ▲巻道で休憩 |
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![]() ▲小朝日岳をふり仰ぐ |
![]() ▲大朝日岳を見ながら稜線を行く (大朝日岳避難小屋が見える様になる) |
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![]() ▲銀玉水で湧水をペットボトルに詰める(12:55〜13:10) (各自1リットル程度):非常に美味しく冷たい |
![]() ▲雪渓手前 |
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![]() ▲なだらかな雪渓を登る :登りは軽アイゼンを着けず、下山時(翌日)は着用 |
![]() ▲雪渓から岩道へ |
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![]() ▲大朝日岳避難小屋に到着(13:55) :ガスが出てきて視界が悪くなる |
![]() ▲ザックを小屋に預け、山頂を目指す(14:25) |
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![]() ▲大朝日岳山頂(1870m)に到着(14:40〜50) |
![]() ▲大朝日岳山頂を振り返る:ガスで周辺の山々は見えない |
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![]() ▲小屋前から見た西朝日岳に沈む夕陽(18:55) |
![]() ▲大朝日岳と東の空に月が |
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![]() ▲夕陽を眺める登山者 |
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■登山道沿いで見かけた高山植物 | |||||
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![]() ▲イワカガミ |
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![]() ▲タムシバ |
![]() ▲シラネアオイ |
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![]() ▲ツバメオモト |
![]() ▲ヨツバシオガマ |
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![]() ▲ヒメサユリ |
![]() ▲ウスユキソウ |
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![]() ▲ノウゴウイチゴ |
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7月8日(土):大朝日岳避難小屋〜大朝日岳〜古寺山〜古寺鉱泉の写真
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![]() ▲再度山頂を目指す(5:35) |
![]() ▲大朝日岳山頂(5:50〜6:00):360度の展望 |
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![]() ▲山頂での記念写真:朝日が眩しい |
![]() ▲南方の雲の上に飯豊連峰の山々が |
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![]() ▲山頂方位版には飯豊連峰、月山、蔵王岳、吾妻山などの 名山の方向も示されている |
![]() ▲避難小屋まで下りてきた(6:10〜20):気温15℃ |
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![]() ▲稜線を古寺山に向け下山 |
![]() ▲雪渓を下る:軽アイゼンを着用したが必ずしも必要ないレベル |
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![]() ▲ヒメサユリが登山道両側に |
![]() ▲大朝日岳を振り返る:青い空に残雪のある山並みが美しい |
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![]() ▲ヒメサユリが群生 |
![]() ▲月山が遠望出来る |
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![]() ▲古寺鉱泉・朝陽館の横を通過(14:40) |
![]() :駐車場が満車で車道沿いにも100台前後駐車していた |
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