個人山行  聖岳(3,013m 静岡、長野県境 

  2015年8月28日(金)〜30日(日)         しらかわ 記

南アルプスの3000mを超える日本百名山で最も南に位置する聖岳のツア登山に参加。

北アルプスに比べ、登山口までのアプローチが長く、しかも山頂までの歩行距離が長い山が多い南アルプス。  聖岳もその一つである。
前日、午前5時JR宇多津駅前を出発し、途中で大型バスに乗り換えて赤石温泉・白樺荘に着いたのは午後5時過ぎ。 所要時間は12時間。
白樺荘は建て替えられて新しく、温泉も広く、露天風呂もあり快適。
ここからは道が狭く、一般の車は通行出来ないので翌日、現地バスで登山口まで移動。

今回は登山口から聖岳を往復するコースを2泊3日でゆっくりと歩いた。

その概要は以下の通り。

コースとコースタイム
8月28日(金):聖沢登山口(8:05)〜出合所小屋跡(8:45)〜聖沢吊り橋(9:35〜45)〜造林小屋跡(10:55〜11:00)〜乗越(昼食)(11:45〜12:15)〜岩頭滝見台(13:40〜45)〜聖平小屋(15:10)

歩行距離:8.5km、 歩行時間:6時間15分、 累積標高差(+):1700m、 (−):560m、 休憩、昼食を含む所要時間:7時間5分

●8月29日(土):聖平小屋(5:55)〜聖平(6:00〜05)〜分岐(6:30)〜小聖岳(7:30〜35)〜前聖岳(8:55〜9:00)〜奥聖岳(9:35〜40)〜前聖岳(10:05)〜小聖岳(11:10〜15)〜分岐(12:00)〜聖平(12:25)〜聖平小屋(12:30)

歩行距離:7.5km、 歩行時間:6時間10分、 累積標高差(+)、(−):930m、 休憩を含む所要時間:6時間35分

●8月30日(日):聖平小屋(4:25)〜岩頭滝見台(6:10〜15)〜乗越(朝食)(7:10〜20)〜聖沢吊り橋〜聖沢登山口(9:55)

歩行距離:8.5km、 歩行時間:5時間15分、 累積標高差(+):560m、 (−):1700m、 休憩、朝食を含む所要時間:5時間30分

28日は登山口から聖平小屋までのコースで聖沢沿いを標高差約1400m登る。

最初は約300mの急登で、その後は沢に架かる吊り橋、鉄橋、木橋などを次々に渡る緩やかな登りで、正午前には乗越に着いたので、ここで昼食。
その後、雨が降り出したので雨具を着け、岩頭滝見台から対岸に見える二本の長い滝を見、その上部の聖岳山頂を望むが、雨で全く見えない。
更に樹林帯の沢沿いの急登を時間をかけてゆっくりと登り、午後3時過ぎに聖平小屋に到着。依然として雨は降り続いている。
明日の空模様が心配であるが午後8時の消灯に合わせて早々と就寝。
満室で狭い床板に御座を敷いた上に寝袋で寝る事に慣れていなく、あまり眠れなかった。

29日は早朝6時前に小屋を出発。今日も小雨が降り続いている。
草原状の聖平の木道を歩き、その先の森林限界を超えるまでの登山道沿いはミヤマトリカブト、イオンなどの群生するお花畑が続く。
森林限界を超え小聖岳までは急登が続く。小雨の中、小聖岳山頂に着く。 展望は全くない。

小休止後、更にザレ場の急登をゆっくりと登り、午前9時前に最高峰の前聖岳(3013m)の山頂を踏む。
雨は降っていたが早く着いたのでその先の奥聖岳を往復することになり、午前9時35分に奥聖岳に到着。 所要時間3時間40分。
ここで記念写真を撮り、元来た道を引き返した。途中でハイマツの中で餌を探す雷鳥の親子三羽を見かける。
前聖岳からのザレた急坂は滑らないように慎重に歩く。聖平小屋には12時35分に帰って来た。
小屋では全員の登頂を祝してガイドを囲みビールで乾杯。

30日は聖平小屋からバス乗り場の聖沢登山口まで約1400mを下山。
バスの時刻に合わせるため、朝食を摂らずに午前4時25分にヘッドランプを着けて雨の降る中、小屋を出発。
5時半過ぎまでヘッドランプを着けての下山は慎重にゆっくりと歩く。乗越まで降りてきてここで朝食。

降り続く雨で沢は増水しており、聖沢吊り橋から見た急流は凄い音を立てていた。
午前10時前には下山。 予定通り現地バスに乗車し、白樺荘に帰る。 ここで温泉に入り着替えて昼食。 ビールで乾杯。
午後12時前にはJR宇多津駅に帰着。

(1)雨に降られた聖岳登山では展望は望めなかったが沢山の高山植物、雷鳥の親子などを見ることが出来、思い出に残る山旅となった。
(2)ヘッドランプを着けての下山は久しぶりではあったが転倒することなく無事歩き通すことが出来た。



GPS軌跡図(全コース)

聖沢登山口〜聖平小屋の高低差

聖平小屋〜奥聖岳〜聖平小屋の高低差

●8月28日(金):聖沢登山口〜聖平小屋の写真

赤石温泉・白樺荘

白樺荘から東海フォレストの専用マイクロバスで登山口に移動(約1時間)

聖沢登山口
(聖岳、赤石岳、上河内岳の説明版が設置されている)(7:45〜8:05)

最初は樹林帯の急登(標高差:約300m)

出合い所小屋跡にある道標(聖平小屋まで290分の表示)

▲樹林帯の鉄橋を渡る

▲聖沢吊り橋(歩く毎に左右、上下にかなり揺れる)長さ:約20m

▲揺れる吊り橋中央部から見た聖沢の急流
(2日後の下山時は雨で大幅に増水し、岩が殆んど見えない状態であった)

▲吊り橋通過後はこのような急登が続く

▲乗越で昼食(未だ雨は降っていない)

▲雨の中、二度目の吊り橋を渡る(定員5名の表示)

▲崩壊している登山道を慎重に

▲このような場所も所々にある

▲岩頭滝見台から見た二本の滝

▲聖岳山頂は雲の中で見る事は出来ない

▲ミヤマトリカブト

▲登山道の両脇にはミヤマトリカブトとイオンが群生していた

▲3番目の鉄橋

▲4番目の鉄橋

▲聖平小屋に到着(15:15)

▲聖平小屋のトイレ(小屋から約100m離れており、傘と長靴が小屋に常備されている):バイオトイレ

●8月29日の写真:聖平小屋〜奥聖岳〜聖平小屋

▲聖平小屋を出発(5:55):今日も雨模様でレインウエアを全員着用

▲草原上の聖平(昭和34年の伊勢湾台風で倒木した針葉樹が未だ残っている)

▲分岐の道標

▲小聖岳山頂(2662m)に到着:小雨

▲前聖岳山頂(3013m)に到着:小雨で展望は無し

▲前聖岳から奥聖岳への登山道沿いのお花畑

▲奥聖岳山頂(2978m)での記念写真:ここでも小雨

▲ライチョウの親子三羽が近くのハイマツと岩場で(写真は親鳥)

▲奥聖岳から前聖岳への一部にはこのような岩場も有る(両側は切り立った断崖)

▲前聖岳に戻ってきた(山頂はハイマツが少しある岩場で広い)

▲小聖岳で小休止

▲小雨の聖平を通過

▲聖平小屋に帰る(12:30)

●登山道沿いに咲いていた花

▲イオンとミヤマトリカブト(聖平から分岐へ通じる道端)



▲イブキジャコウソウ


▲タカネグンナイフウロ