個人山行    黒部五郎岳(2,840m)・三俣蓮華岳(2,841m)双六(2,860m) 縦走
富山、岐阜、長野県境)

  2015年8月7日(金)〜10日(月)   しらかわ記 

T社主催のツア登山にクラブ員3人と共に参加。 
3泊4日の歩行距離約40kmの縦走登山は初めてであったが、天候に恵まれ無事終了することが出来た。

 8月6日(木)午前6時にJR宇多津駅前を出発し、折立登山口の北方にある亀谷温泉・白樺ハイツに午後3時過ぎに到着。ここで宿泊。  
翌日早朝、路線バスに乗り変えて有峰林道を通り折立登山口には午前7時過ぎに着いた。
全日程の概要は以下の通り。

コースとコースタイム
●8月7日(金):折立登山口(7:20)〜1870m三角点(9:15)〜休憩(10:15〜20)〜五光岩ベンチ(昼食)(11:00〜20)〜太郎平小屋(12:15)
  歩行距離:7.3km、 歩行時間:4時間30分、 累積標高差(+):1022m、 (ー):47m、 休憩、昼食を含む所要時間:4時間55分

8月8日(土):太郎平小屋(5:45)〜太郎山(5:55)〜神岡新道分岐〜北の俣岳(10:50〜55)〜中俣乗越〜黒部五郎の肩(11:30)〜黒部五郎岳(11:45〜55)〜黒部五郎の肩(昼食)(12:10〜25)〜黒部五郎のカール(休憩)〜黒部五郎小舎(14:35)
  歩行距離:13.5km、 歩行時間:7時間40分、 累積標高差(+):900m、(−):870m、 休憩、昼食を含む所要時間:8時間55分

8月9日(日):黒部五郎小舎(5:25)〜展望所(6:25〜30)〜三俣蓮華岳(7:45〜8:05)〜丸山〜双六岳(昼食)(9:40〜10:15)〜稜線ルート
  〜双六小屋(11:25〜35)〜弓折乗越(13:10)〜鏡平小屋(14:00)
  歩行距離:10.7km、 歩行時間:7時間25分、 累積標高差(+):917m、(−):917m、 休憩、昼食を含む所要時間:8時間35分

8月10日(月):鏡平小屋(5:25)〜シシウドが原(6:05〜15)〜イタドリが原(6:35)〜小池新道〜秩父沢(7:10〜20)〜小池新道入口(8:10)〜左俣新道〜ワサビ平小屋(8:35〜50)〜笠新道登山口(9:00)〜新穂高温泉(9:50)
  歩行距離:9.8km、歩行時間:3時間50分、累積標高差(+):110m、 (−):1290m、 休憩を含む所要時間:4時間25分

7日のコースは5年前の夏山・薬師岳登山と同じコースで、当時を思い出しながら風景、お花を楽しみながら歩いた。
正午過ぎに太郎平小屋に着いたので、午後の時間は明日登る北の俣岳、黒部五郎岳を眺めたり、談話室で山旅の情報交換などして過ごす。

8日は午前5時45分、太郎平小屋を出発し太郎山山頂を左に巻いて、先ずは北の俣岳を目指す。
標高差約350mを約5時間かけて花などを見ながらゆっくりと登る。

このコースは北アルプスの最奥部登山道で、天気も好かったので西方には白山、北方には薬師岳、剣岳、奥大日岳、立山、赤牛岳などが、また北の俣岳山頂(2661m)から南方には黒部五郎岳、笠ケ岳、乗鞍岳、御嶽山の名峰が良く見えた。

 北の俣岳から黒部五郎岳へはアップダウンを繰り返す稜線歩きである。 黒部五郎の肩から山頂まではガレ場の急登を15分かけて登った。
山頂(2840m)からの眺めは北の俣岳と同様に素晴らしかった。山頂東側は切り立った黒部五郎のカールで、その先には黒部五郎小舎、三俣蓮華岳が有る。
黒部五郎の肩からカールへの急坂を下りると、大きな岩が点在し、雪解け水が流れており、沢山の高山植物を観ることが出来た。
今夜の宿泊地・黒部五郎小舎には午後2時35分に着く。今度のルートで一番長いコースを無事歩き通したので、夕方、ベンチでガイド2名と参加者で生ビールで乾杯。
小舎の宿泊者は予想に反して少なく布団一枚一人でゆっくりと眠ることが出来た。
隣りの布団には小学2年の男子とその祖父がおり、テレビで話題の健脚者との事。
男子は3才7か月から1年間で日本百名山を57座登り、これまでに日本百名山を157座登った由。
今回の山旅コースも聞いてびっくり。コースタイムを超えるスピードで歩いている。

9日は午前5時25分に黒部五郎小舎を出発し標高差約300mの急登を登り、展望所で黒部源流、雲ノ平などの黒部最奥部の風景を写真に撮る。
その後更に標高差200mを登り、三俣蓮華岳山頂(2841m)に立つ。
ここで南に進路を変え、丸山を超えて双六岳山頂(2860m)には午前9時40分に到着。
少し早いが山頂で槍、穂高連峰を眺めながらゆっくりと昼食。
山頂からの展望は素晴らしく、気に入った写真を何枚も撮った。

ここから双六小屋への下山は槍ヶ岳を正面に見て歩くコースで、5年前、槍ヶ岳を上高地から登った時とはまた違った風景を味わった。
双六小屋は槍ヶ岳縦走の分岐点で多くの登山者で賑わっており、ここで暫し休憩。
途中の弓折岳には登らず、弓折乗越から急坂を鏡平まで下り鏡平小屋に午後2時に着いた。
ここでも生ビールで乾杯。

10日は早朝、鏡池に映った逆さ槍ヶ岳をカメラに収め、午前5時25分に鏡平小屋を出発。
本日は標高差約1300mをひたすら下るコースで小池新道は岩道の急坂で途中のシシウドが原、秩父沢で休憩。 一か所雪渓を渡る。
緩やかな砂利道の左俣林道では途中のワサビ平小屋でも休憩を取り、午前9時50分、下山口の新穂高温泉に到着。所要時間は4時間25分。

 4日間すべて晴れて落雷の心配も無く、充実した北アルプス縦走登山を無事終了することが出来た。
沢山の高山植物を観賞することも出来たが、今回は北アルプスの名峰、稜線の写真を主に撮った。
思い出に残る素晴らしい写真も幾つか取れた大満足の山旅であった。



▲GPS軌跡図

▲折立登山口〜黒部五郎高低図


▲黒部五郎〜鏡平高低図

▲鏡平〜新穂高温泉高低図

●8月7日の写真:折立登山口〜太郎平小屋


折立登山口を出発(7:20)

五光岩ベンチ(ここで昼食)

休憩

ニッコウキスゲ

▲太郎平小屋前から見た薬師岳

▲同じく太郎山(富山県警のヘリコプターが怪我人収容の為、飛来)

●8月8日の写真:太郎平小屋〜北の俣岳〜黒部五郎岳〜黒部五郎小屋


▲ 小屋前から見た早朝の北の俣岳、黒部五郎岳、双六岳(右から左へ)

▲太郎平小屋を出発(5:45)

▲正面にこれから登る北の俣岳が見えてきた

▲太郎平小屋方面を振り返る

▲ゆったりとした山並みが続く

▲花の群生地

▲北の俣岳山頂(広くてなだらか)

北の俣岳山頂から見た黒部五郎岳、笠が岳、乗鞍岳、御嶽山(左から右へ)

▲このような岩道も有る

▲正面に黒部五郎岳が見えてきた

黒部五郎の肩から山頂を見上げる(左側は黒部五郎のカール)

黒部五郎岳山頂から見た槍、穂高連峰の山並み

黒部五郎のカールを見下ろす

黒部五郎岳山頂での記念写真(クラブ員4名)

▲ゴロゴロ道を黒部五郎の肩へ下る

▲黒部五郎のカール内のお花畑

▲カール内で小休止

カールには残雪が見られる

カール内から見た黒部五郎岳

▲黒部五郎小屋が見えてきた

●8月9日の写真:黒部五郎小屋〜三俣蓮華岳〜双六岳〜鏡平小屋


▲ 朝日に映える黒部五郎岳と黒部五郎のカール

笠が岳が美しい

白山が黒部五郎岳左手後方に見えてきた

▲ハイマツの向こうには雲の平、手前の谷は黒部源流

▲三俣蓮華岳の道標(後方には槍、穂高連峰)

ズームアップした槍ヶ岳と穂高連峰
(大喰岳、中岳、南岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、ジャンダルム、西穂高岳)

▲三俣蓮華岳山頂(2841m):山頂は広く、ここで昼食

稜線に向け下山

▲途中で餌を探す熊一頭を見る

岩陰に咲くイワギキョウ

▲双六岳に続く岩道

▲双六岳山頂(2860m)

▲山頂から東方向には槍ヶ岳と穂高連峰が見える

槍ヶ岳へ続く登山道

▲中道分岐の道標

双六小屋が見えてきた

双六小屋で小休止

▲双六の池(正面遠方には鷲羽岳が)

ミヤマトリカブト?

▲再度、槍ヶ岳と穂高連峰

弓折乗越

鏡平小屋

●8月10日の写真:鏡平小屋〜新穂高温泉



▲鏡池に映った逆さ槍ヶ岳

▲イタドリが原を通過

秩父沢(ここで小休止)

▲雪渓を渡る

左俣林道(緩い下りの砂利道が続く)

ワサビ平小屋(ここで休憩)

ワサビ平小屋の雪解け水で冷やされたリンゴは美味しかった

急登で有名な笠新道の登山口

新穂高温泉に到着(正面はロープウエイ駅)(9:50)