白馬岳三山縦走(長野県白馬村)

  2016年8月5日(金)〜7日(日)        しらかわ記 
 
白馬岳登山には幾つかのルートが有る。
今回は猿倉から大雪渓を登り、白馬岳、杓子岳、白馬鑓ケ岳を縦走し白馬鑓温泉経由で猿倉に下山する2泊3日のゆっくりコースツア登山に参加。
 
全日程のコースとコースタイムは以下の通り。
 
●8月5日(金):晴れ
猿倉登山口(6:30)〜白馬尻小屋(7:50〜8:00)〜ケルン(8:20)〜大雪渓(9:20〜10:30)〜葱平〜(昼食)(10:45〜11:05)〜(お花畑:ゆっくりと)〜白馬頂上宿舎下の水場(13:50〜14:00)〜白馬山荘(14:35〜15:00:休憩)〜白馬岳(15:20〜30)〜白馬山荘(15:50)
 
歩行距離:7.6km、歩行時間:8時間5分、累積標高差(登り):1745m、(下り):170m、
休憩、昼食を含む所要時間:9時間20分
 
●8月6日(土):晴れ、気温:12℃(白馬山荘:午前6時)
白馬山荘(6:30)〜分岐(6:45)〜丸山(7:00〜10)〜(お花畑:ゆっくりと)〜杓子岳(8:40〜55)〜白馬鑓ケ岳(10:20〜40)
〜鑓温泉分岐(11:10)〜大出原(昼食)(11:50〜12:25)〜(お花畑:ゆっくりと)〜白馬鑓温泉(14:20)
 
歩行距離:6.9km、歩行時間:6時間20分、累積標高差(登り):590m、(下り):1420m、
休憩、昼食を含む所要時間:7時間40分
 
●8月7日(日):晴れ
白馬鑓温泉(6:30)〜杓子沢(7:30)〜小日向ノコル(9:00〜10)〜猿倉下山口(11:15)
 
歩行距離:6.1km、歩行時間:4時間35分、累積標高差(登り):210m、(下り):970m、
休憩を含む所要時間:4時間45分、
 
8月4日午前6時30分にJR宇多津駅南口を出発し、午後5時半に白馬村・民宿”雪の荘”に到着。
5日は午前6時前にタクシーに乗り20分程で登山口のある猿倉荘に着いた。
猿倉荘左手の登山口から樹林帯に入り、砂防工事用道路を70分ほど北上すると白馬尻小屋に着く。
今年は雪が少なかった為か大雪渓はまだ見えない。更に北へ進みケルン迄来て漸く遠方に雪渓が見えてきた。
雪が融けた河原の左側登山道(秋道)を登って行き、雪渓上を少し進んでから軽アイゼンを装着。
雪渓上は涼しくて気持ち良く70分程標高差約400mを登り、右手の岩場でアイゼンを外す。
ここからは岩場の急登で落石危険地帯のため、休憩を取らずに葱平まで登る。
その辺りから沢山の花が咲いている”お花畑”でゆっくりと休憩、昼食を摂る。
更に登ると右手上方遠方に白馬岳頂上宿舎の建物が見えてくるが、宿舎までは急登でなかなかたどり着くことが出来ない。
周辺のお花畑を観ながらゆっくりと時間をかけてようやく宿舎下の水場に着く。
雪解け水で冷たく美味しい。 空になったペットボトルに水を詰めて本日のお宿・白馬山荘には午後2時35分に到着。
休憩後ザックを置いて、山頂を目指す(ザック内にGPSを置き忘れたので山頂往復の記録は取れていない)。
白馬山荘から20分で白馬岳山頂(標高:2932m)に到着。
山頂からは明日登る杓子岳(2812m)、白馬鑓ケ岳(2903m)が南に、旭岳(2867m)が西に、戸隠山が東に見え、素晴らしい展望を楽しむ事が出来た。
 
6日は朝食前に白馬山荘東側の見晴らしの良い場所迄登り、日の出を見てから午前5時半頃に朝食。午前6時30分に出発。
先ず丸山から360度の展望を楽しむ。
南には杓子岳、白馬鑓毛岳、その奥には剣岳、立山連峰が、西には旭岳が朝日映えて良く見えた。
又これから歩く稜線上の登山道もはっきりと見える。
途中のお花畑をゆっくり観ながら一度下って、ザレ場の急斜面を登り返し、杓子岳山頂には午前8時40分に到着。
ここからの展望も素晴らしい。ただ、山頂南側の長野県側は断崖で南に続く稜線歩きも気を付けないといけない場所である。
ザレ場の下りでは滑らないように足下を確認しながら慎重に歩く。
白馬鑓ケ岳の登り下りもザレ場でゆっくりと時間をかけた。
白馬鑓ケ岳山頂の南方には天狗の頭、その先には唐松岳が、その右手には剣岳、立山連峰が大きく見える。素晴らしい眺めである。
充分に展望を楽しんで後、今夜の宿・白馬鑓温泉を目指して下山。
途中の大出原周辺もお花畑で、ここで昼食を摂る。
白馬鑓温泉上部にはクサリが設置された岩場があり、昨年滑落死亡事故が発生しており、慎重に通過。
午後2時20分に温泉小屋に到着したので、早速、露天風呂に入る。湯量が多く、温度が高くて青空も下での風呂は気持よい。
 
7日は昨日と同様、日の出を見てから午前5時40分から朝食。午前6時30分出発。
例年なら杓子沢辺りは雪渓上を下山するようであるが雪渓が無くなっていてガレ場の歩き難い登山道であった。
この登山道にも”お花畑”が有り、ゆっくりと花を観ながら午前11時15分に猿倉に下山。
その後白馬村の”八方の湯”で風呂に入り、昼食を済ませ午後1時40分にバスに乗車。
交通渋滞の関係から、北陸自動車道、舞鶴若狭自動車道経由で午後12時前に宇多津に帰る。
 
1、前々から一度は登ってみたかった白馬岳、今回は白馬岳、杓子岳、白馬鑓ケ岳の縦走登山で大満足。
2、3日間ともに天気が好く、山頂、稜線からの展望は素晴らしく、忘れられない思い出になった。
3、コース上には大雪渓、クサリ場、ガレ場の急登と緊張を強いられる処も有ったが、お花畑が何か所もあり楽しい山旅を経験した。
4、白馬岳頂上直下にある標高2832m、収容人員1200名の日本最大の山岳宿舎・白馬山荘、
  標高2100m地点から湧き出す温泉を有する白馬鑓温泉小屋、共に予想された混雑も無くゆっくり休み、素晴らしい日の出を見ることが出来た。
 
      

GPS軌跡図


▲高低グラフ
8月5日の写真:猿倉登山口〜大雪渓〜白馬岳〜白馬山荘

▲猿倉荘:登山口はこの建物左手

▲樹林帯から工事用道路を北へ進み山道へ(このような橋も有る)

▲前方に白馬の山が見えてきた

▲白馬尻小屋に到着

▲白馬尻小屋から見た大雪渓(遠くて良く見えない):小休止

▲ケルン:秋道の道標(白馬岳まで4kmの標示)

▲大雪渓の左手を進む:雪渓が融けて崩壊が進んでいる

▲雪渓の崩壊状況:大音響とともに近くの雪渓が突然崩落した
(長さ10m、幅5m位)

▲ガスの中に雪渓が見えてきた

▲アイゼン無しで雪渓を歩く
:落石が傍に有り注意喚起のテープが巻かれている

▲軽アイゼン装着

▲クレパス横ロープを右に見て一列で登る

▲雪渓が長く、距離も有るので途中休憩

▲漸く雪渓を渡り終え軽アイゼンを外し小休止

▲岩場の急登が続く

▲岩場途中で休憩と昼食

▲避難小屋

▲右手上方に白馬頂上宿舎が見えてきた

急な木製の階段

▲白馬頂上宿舎:宿舎下に水場が有り、ペットボトルを充填

▲分岐から見た白馬山荘(右手から一号館、二号館、三号館)

▲白馬山荘から見た白馬岳

▲白馬山荘に到着(14:35)

▲白馬岳山頂(新田次郎の小説”強力伝”で知られる方位盤が目立つ)

▲山頂から南方に白く輝く杓子岳、白馬鑓ケ岳が(長野県側は断崖絶壁)

▲山頂の道標と一等三角点(2932m)

白馬山荘のレストラン・スカイプラザ白馬
(ここで登頂を記念しビールで乾杯)

夕陽を受けた剣岳、立山連峰

西隣の旭岳右手に夕陽が沈む(18:58) 
葱平から白馬山荘にかけて咲いていた花

▲ミヤマトリカブト

シロウマアサツキ

タカネナデシコ

ミヤマオダマキ

ミヤマキンポウゲ

タカネグンナイフウロ

ミヤマアキノキリンソウ

ハンゴンソウ

オオハナウド

クルマユリ

タカネナデシコ

その12

タカネツメクサ

トウヤクリンドウ

その15

8月6日(金):白馬山荘〜丸山〜杓子岳〜白馬鑓ケ岳〜白馬鑓温泉

分岐の標示版(旭岳、白馬岳、頂上宿舎、大雪渓、杓子岳)
:後方左は丸山

丸山から見た剣岳、立山連峰

同じく旭岳

振り返って見た白馬山荘と白馬岳

稜線の先には杓子岳(左)、白馬鑓ケ岳(右奥)

大雪渓を見下ろす

拡大した大雪渓:雪渓上に登山者の列

杓子岳の急登:ザレ場をジグザグに山頂迄登る

杓子岳山頂(標高:2812m)

山頂から見た白馬岳と後方の小蓮華岳

山頂から稜線を南へ(左の長野県側は断崖絶壁)

振り返って見た杓子岳、白馬岳、旭岳

白馬鑓ケ岳山頂を目指してガレ場を登る

もう少しで白馬鑓ケ岳山頂

白馬鑓ケ岳山頂

白馬鑓ケ岳山頂の道標と三角点(2903m)

山頂から見た南の眺望:天狗岳の頭、その左手奥が唐松岳、
右手後方には剣岳、立山連峰

ザレ場を下山:転倒しないように慎重に

白馬鑓ケ岳をふり仰ぐ

白い山と青い空のコントラストが美しい

分岐から白馬鑓温泉を目指して下山:正面は天狗の頭

大出原:この周辺もお花畑で花が沢山咲いていた(写真省略)

ふり仰いでみた白馬鑓ケ岳

クルマユリの群生地

登山道に危険を知らせる説明版:この先で滑落死亡事故発生
(昨年8月上旬)

クサリ場を慎重に下山

岩場を横移動するクサリ場

雪渓左手に白馬鑓温泉小屋が見える

白馬鑓温泉小屋に到着(雪崩多発地帯のため毎年、
秋に解体し、春に建設するプレハブ式小屋)

有名な露天風呂(湯量は豊富で熱い43℃位)
:午後8時まで混浴、それ以降は女性専用風呂

直ぐ下のテント場
8月7日(日):白馬鑓温泉〜小日向のコル〜猿倉

白馬鑓温泉の日の出(4:58)

白馬鑓温泉を出発(6:30)

ガレた沢を下山

杓子沢を通過:雪渓は無い

杓子沢から見た白馬鑓ケ岳:白く光っている

ブナ林迄下りてきた

猿倉荘前の駐車場に下山(11:15)
咲いていた花

ミヤマキンポウゲ

ギボウシ

シモツケソウ

シナノナデシコ

イワイチョウ

エゾアジサイ